手形割引をお得にするにはどうしたらいい?
手形割引をお得にするならどうしたらいい?
手形とは、企業同士の決済で用いられる有価証券のこと。この商業手形を決済日前日に現金化するのが手形割引です。本来ならば期日がこないと現金化できませんが、手形割引をすれば現金化することが可能なのです。
しかし、手形割引で現金化すると手形に記載されている満額を受け取ることはできません。期日までの相当分利息として引かれてしまうのです。
「受け取れる金額が減ってでも現金が急いで必要」という時に重宝されています。
支払うなら手形と現金どちらが良い?
手形と現金どちらがお得なのかを論じるためには、まず手形決済のメリットとデメリットについて理解しておきましょう。
受取人の同意が必須となりますが、手形を振り出すと事実上支払期日を延長することができます。支払先にも支払日の延期を申し出るより、手形を振り出すと話した方が了承してくれるでしょう。
売り上げが立たない状態で、原材料の仕入れ料金の支払いなどをしなければならないときに、支払期日を延ばすことのできる手形は非常に心強い存在。資金運用を調整できるのが手形を振り出すメリットのひとつと言えるでしょう。
日数による金利差は?
金利差を考える上で、先に手形割引料の計算公式を知っておかなければなりません。計算公式は以下の通りです。
- 手形割引料=手形額面金額×支払期日前日数÷365日×手形割引率(%)
したがって、手形割引業の営業マンなどに「本日中に手形割引していただけるなら、金利を0.5%安くします。」などと言われてもしっかり計算してから出ないと損をする可能性があります。たとえば次の条件で考えてみてください。
- 手形額面金額:1,000,000円
- 手形割引率:5.5%-0.5%
- 支払い期日までの日数:90日
- 1,000,000×5.0%×90÷365=12,328円(小数点以下切り捨て)
もしさらに10日待ち、支払期日の日数が80日となったらどうなるかを計算してみます。
- 1,000,000×5.5%×80÷365=12,054円(小数点以下切り捨て)
結果として、およそ300円多く支払ったことになります。このように金利を安くしてもらっても、タイミングによっては大きく損をすることにもなるので、ゆっくりと計算した上で手形割引をしましょう。
銀行と専門業者だとどちらがお得?
金融機関である銀行は手形割引をひとつの融資と捉えているので、割引率は手形自体の信用ではなく、手形の持ち込み人の信用によって決まります。それゆえ多くの中小企業は審査に通らず割引を受けられません。
銀行の手形割引率は1.5%~5.5%と銀行の形態によってさまざまですがおおよそこの範囲内です。対照的に手形割引の専門業者では手形の振出人の信用状況を確認して割引するかどうかを検討する傾向にあります。割引率は3%~20%と銀行に比べて高くなりますが、高確率で現金化に応じてくれます。